(1) 特別研究「天然ガスの液体燃料化(GTL)技術」(平成13〜16年度)
日本市場に近く、主要なガス供給地域である東南アジア・オセアニアには、既発見・未開発の中規模程度ガス田(可採埋蔵量3[Tcf]以下)が全体数の約40[%]を占めるといわれます。それらの開発を促進するための有効な手段として天然ガスの間接法による液体燃料化(GTL)技術を開発していきます。最終製品としては、灯・軽油を中心とした液体燃料を対象とします。
平成14〜15年度にこれまで開発してきた天然ガスから二酸化炭素・水蒸気改質法により合成ガス(COとH2の混合ガス)を製造する触媒の性能評価試験、合成ガスから液体燃料を合成するFT触媒の性能評価試験、および商用プラントのスケールアップに必要なエンジニアリングデータの取得を日産量10バーレル規模のパイロットプラント(北海道苫小牧市石油資源開発(株)勇払鉱場の隣接地)にて行いました。
平成14年11月22日に、国産初の天然ガスからのGTL油生産に成功し、平成15年にはFT合成部は高生産効率(1,325
g/kg-cat・h)、プラント公称能力7BPSDを達成しました。最終的には、合成ガス製造部は累計6,600時間の時間にわたる安定的な合成ガス製造を発揮しました。
GTL商品化に関しては、製品製造の基礎技術を確立し、また、触媒種・パイロットプラントでの反応条件の違いによる、生成油の質的・量的傾向および性状を把握しました。解体研究においては、材料選定に問題がなかったことを確認。経済性検討においては、ラボ・パイロットプラントの結果に基づき、再検討を行いました。
ラボでのコンセプトがパイロットプラントにて技術的・経済的に成立することが確認され、国産GTL技術による実証プラント・商業プラントへの下地が整備された結果となっております。
(2) 国際研究協力業務
1) インドネシアにおける公団GTL技術の適用性に関するフィージビリティ・スタディ(プルタミナとの共同スタディ)(平成13〜16年度)
開発中の公団GTL技術をインドネシア国内のプルタミナが権益を保有する陸上ガス田に適用した場合の経済性を評価するために、プルタミナとの共同スタディを平成13年12月より開始し、これまでの成果としては、選定した2つの対象ガス構造に対して、上流開発計画・経済性評価、下流(GTL)開発計画・経済性評価、マーケティング検討、及びインドネシアでのビジネスモデル検討を行いました。
本スタディでは、あるガス田開発計画に5,000バレル/日規模のGTLを適用する場合、一定条件下でフィージブルになる結果を得ました。
2) イランRIPIのOCM触媒に対するプロセス開発技術協力プロジェクト
(平成14〜18年度)
平成14年12月よりイランの石油産業研究所RIPIとメタンをエチレンに転換する酸化カップリング法(Oxidative
Coupling of Methane; OCM)を用いたエチレン製造プロセスを共同開発しています。本プロジェクトでは、RIPIがOCM流動床触媒を開発し、JOGMECがOCM流動床反応器・天然ガスからエチレン製造までの全体プロセスの開発を行い、経済性を検討します。
触媒開発と予備的プロセス検討を中心としたフェーズ1の技術協力が平成16年6月に終了し、平成17年4月より、ミニパイロットプラントを用いて開発した触媒を評価し、より精度の高いプロセス検討を行うフェーズ2の技術協力を実施しています。
(3)大型研究・特別研究(提案公募) GTL (平成15〜17年度)
2件のGTL関連研究を現在実施中です。
1)天然ガスを原料とする新規GTL用合成ガス製造プロセス(A-ATG(Advanced
Auto Thermal Gasification)プロセス)の開発(平成15〜18年度)
平成14〜15年度提案公募「天然ガスを原料とする新規高効率合成ガス製造システムの開発」のミゼット装置での研究結果を元に、高次脱硫触媒と改質触媒とを組み合わせ、バーナーを使用することなく、部分酸化反応と水蒸気改質反応を同時に進行させ、高圧下、さらには高酸素負荷下においても安全に合成ガスを製造できるシステムの構築を、パイロットプラントを通じて実証確認することを研究目標としています。
平成15年度からGTL相当日産65バーレル規模のパイロットプラントの設計を開始し、平成16年度に建設が終了しました。
2)新規接触酸化法による天然ガスの高効率な改質技術の実用化研究
(平成16〜17年度)
接触酸化法を利用した大規模GTLプラントに適した合成ガス製造触媒改良及びプロセスの構築を研究目標としています。16年度は貴金属担持触媒の性能評価、高圧試験装置の製作・試験運転を実施しました。
(4) 大型研究・特別研究(提案公募) NGH
「天然ガスのハイドレート化輸送の技術開発」(平成13〜16年度)
JOGMECでは、ハイドレートの「高ガス包蔵性」、「生成条件が穏和」等の特性を生かした経済的な天然ガスの新たな輸送・貯蔵技術の確立を目指し、以下のような技術開発を支援しています。
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